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【インタビュー】Wリーグの選手たちが3×3女子最高峰に挑む夏…三菱電機の澤知央選手、山本遥香選手が見た世界

2026年7月20日

「FIBA 3×3ウィメンズシリーズ 東京ストップ 2026」(8月1日・2日、国立代々木競技場第二体育館)を前に、三菱電機の澤知央選手(178cm)、山本遥香選手(178cm)にインタビューを行いました。二人は、Wリーグ・三菱電機コアラーズに所属する選手ですが、同社がウィメンズシリーズの公式パートナーになり、コマーシャルチーム「Mitsubishi Electric」としての参戦を機に今春より世界へ。海外転戦で成長を遂げ、東京ストップに挑みます。

「え!?わたし?」…予期せぬメンバー入りから苦労を経て、楽しさも

まず、お話を伺ったのは澤知央選手です。龍谷富山高校からコアラーズに加入した3年目の昨シーズンは、Wリーグ・フューチャーを戦うチームの主将を21歳にして務めました。ポジションは、パワーフォワード。「挑戦してナンボ」と初の3×3を楽しんでいます。

――どんなきっかけや思いで、3×3挑戦を決めたのでしょうか。

澤)正直に言えば、三菱電機としてウィメンズシリーズに参戦が決まったときは、ちょっと他人事のように思っていました……(笑)。

でも、ウィンさん(=高橋芙由子選手/2025年度3×3日本代表)がコアラーズに加入されて、3×3という競技が身近になり、今年2月にFLOWLISH GUNMAとして3×3日本選手権に出られるので、チームのみんなと応援に行ったんです。初めて3×3を見た感想は、5人制のバスケットと違って1対1が多いなと。でも、ルールも分からないままだったけど、同じバスケットボールという意味で楽しそうだなとも感じたんです。

その後(ウィメンズシリーズに向けて)コアラーズ全員で一度3×3をやろうとなった時も、ルールを覚えるところから始まりました。私はスクリーナーの役割が多いのですが、5人制とは角度などが全く違うと感じたり、3対3でやるのでコートを広く使えたりするという発見もありました。最初は難しいし、キツイし、イヤだなと思っていたんですけど、やっていくうちに楽しくなっていきましたね。

ただ、まさかウィメンズシリーズのメンバーに選ばれるとは思っていなかったです。ミラン ・イサコフらコーチ陣に選ばれたときは、「え!?わたし?」と思いました(笑)。でも、ウィンさんから「ヨウ(=澤選手)のスクリーンは私もやりやすい。そのまま続けてほしい」と言われて。私も世界の舞台で戦える機会はそうそうないと思って、チャレンジしてナンボだろうという気持ちで、3×3をやろうと決めました。

――ミランコーチは、セルビア人で海外プロチームやナショナルチームのコーチを務めた方です。男女の3×3日本代表の選手たちに指導いただいたこともあります(2025年度)。彼のコーチングはいかがでしたか。

澤)最初は言っていることが本当に分からなかったです……。例えば、スクリーンをかけに行っても「違う、違う」と言われました。

――具体的にはどのあたりを指摘されたのですか?

澤)5人制の動きが染みついている分、3人制では全く違う動きを求められました。

例えば、ピック&ロールの場面で(スクリーナーとして)相手をシールしながら、ボールマンを見て、さらにその動きを読んでプレーする。ポップして2点を狙うときにどの位置でボールをもらうのか感覚をつかむのも大変でした。5人制だとピック&ロールでスクリーナーは、すぐにロールダウンしてペイントエリアでポストアップすると思っていた分、違いも大きかったです。

自分は指摘されたことを、新しく行動に移すまでに少し時間がかかるタイプなので、よく指摘されましたね。もう、ミランにヤダなって思いましたもん(笑)。でも、英語の堪能なウィンさんがとてもフォローしてくれて、細かいニュアンスも伝えてくれて、私が納得できるまで練習に付き合ってくれるなど、私を大きく支えてくれたと思います。

――5月にシーズンがスタートし、最初のマニラと上海のSTOPで、チームは4試合で1勝と苦戦しましたが、ツアー3戦目のウィーンSTOPで予選を抜け、カナダを破って準決勝へ進出。最終的に3位の好成績です。どんなチームの変化があったのでしょうか。

澤)シーズン当初は上手くいきませんでしたが、チームで話し合って、上海STOPで強豪の北京に勝てたことが自信になりました。世界と戦うスタートラインに立てたと思えたんです。

上海STOPを終えて3週間ほど空き、3×3の基礎的な動きや判断を理解した上で全員がプレーできるようにもなりました。やっているうちにアイデアも出るようになり、ウィーンSTOPでカナダ(昨季のウィメンズシリーズ優勝国)に勝てたのも、練習の成果を出せたからだと思います。私は点を取りたい気持ちがあったものの、自分より大きな相手に対してボックスアウトを頑張ったり、スクリーンヒットなどスタッツに残らない役割に徹したりしたほうが、ウィンさんやキー(=山本雪鈴選手)のドライブが活きるとも感じました。どの試合も楽しくやれたからこそ、3位という結果につながったと思います。

二足の草鞋を履いて感じたこと。東京では「楽しくバスケットを」

――一方で、ウィメンズシリーズにこれまで出場してきた選手たちから、オフコートの苦労も多いと聞きましたが、初の海外転戦で大変な経験はありましたか。

澤)食事ですね。豆をトマトで煮たような食べたことのない料理も多くて、これ何ですか?と現地スタッフに聞いても「美味しいわよ」と言うだけで(笑)。ウィンさんは慣れていて「めっちゃうまいよ!」と言ってくれるのですが、私は食で冒険できるタイプではないんですよ。

――その高橋選手と、ウィメンズシリーズを転戦しています。5人制と3×3を両方やる選手としてコアラーズに加入しましたが、改めて一緒にプレーされて、彼女をどう思いますか。

澤)やっとウィンさんの気持ちが分かりました。3×3と5人制ではボールの跳ね方、重さ、触り心地も違うじゃないですか。いま、5人制の練習が始まっているのですが、3×3の感覚でシュートを打つと、すべてリングの根本にボールが当たるので力加減が難しいです。

そんな違いがある中で、ウィンさんは昨シーズン両方プレーされ、名古屋と高崎などの移動もこなしている。それをやり続けているウィンさん、すごいってめっちゃ思います。30代ですけど、その年齢でできるのが信じられないです(笑)。尊敬しかありませんね。

――そんな中で、8月1日・2日に東京STOPを迎えます。今どんな気持ちでしょうか。

澤)今年から3×3を始めて、楽しさや凄さが少しずつ分かってきました。海外だと会場が満席になっている光景を見ていて、ウィーンSTOPだとMCが「Mitsubishi―――!!」と煽ると、会場がうぉーー!みたいに盛り上がるんですよね。ホテルでも他のチームから「良い試合だったよ」と声を掛けられて、アウェーでも応援されていると感じたんです。

日本でも盛り上がるように、私もプレーはもちろん、SNSなどを通じて広めていきたいと思っています。両親も配信で海外のSTOPを見てくれているので、東京でも頑張っている姿を見せたいですね。

――最後に東京STOPには、初めて3×3を見るコアラーズのファンの方も来るかと思います。澤選手が思う、見どころを教えてください。

澤)個人の技術は5人制よりも光ると思います。私だったらスクリーンでダイブする動き、キーならどんな状況でも打ち切るシュート力、ウィンさんならドライブ、ハル(=山本遥香選手)なら外も中もできるプレーです。誰が見ても選手の得意なプレーが分かると思うので、楽しんでもらえたら嬉しいです。

あと、私たちは楽しくバスケットをやりたいと思っています。試合中も真剣にやっていますが、楽しすぎて笑顔になるぐらいです。皆さまに応援したいと思ってもらえるように、そしてWリーグ、コアラーズ、そして私自身も知ってもらえるように、プレーしていきます!

3×3未経験で代表活動に招集。「楽しさ」も「難しさ」も感じる

続いての注目は、山本遥香選手です。昨冬、アーリーエントリーで立命館大学よりコアラーズ入り。ルーキーとして、今秋からのWリーグ・フューチャーで一層の活躍が期待される中、3×3に挑戦中です。ポジションはパワーフォワード。全ての経験を成長の糧にします。

――まず、3×3に挑戦するようになったきっかけをお聞かせいただけますか。

山本)きっかけは、2月に3×3の日本代表合宿(=3×3 ディベロップメントキャンプ 2026)に召集されたことです。コアラーズに入り、ウィンさんを通じて3×3を調べるようになっていたのですが、まさか代表に招集されるとは思っていなくて。プレー経験も無かったので、このような機会をいただけて嬉しかったです。

代表活動で、初めてプレーして3×3の楽しさも知りました。三菱電機として新しく3×3のチームを作るという話があったので、挑戦できたら良いなという気持ちになり、チーム練習を経てメンバーに選ばれ、いまに至ります。

――代表合宿で3×3をやってみて、イメージとのギャップはありましたか。

山本)ポジションが関係ないと思いました。ピック&ロールでユーザー側の難しさを感じましたし、5人制とスクリーンのかけ方も違いますし、3人制の方がその重要性が高いと感じています。自分ではスクリーンをかけているつもりでも、実際はかかっていなかったり、2対2で攻めきるためにディフェンスを見てどうプレーを判断するのか、バスケットボールをやってきた中でも難しいと感じました。

――そんな中で今シーズン、ウィメンズシリーズで三菱電機はどんな戦い方を意識しているのでしょうか。

山本)チームとしては、ディフェンスマインドを一番重視しています。例えば、ピック&ロールのディフェンスではしっかりプレッシャーをかける、状況によって私やヨウさんがショー(ディフェンス)で出る、相手のビッグマンをしっかりと抑えることを意識しています。

逆にオフェンスでは、ウィンさんとキーの2人のスピードが他のチームより優っていると思います。そこに私やヨウさんがスクリーンをかけたり、2人がアタックすることで空いたスペースへ、私たちがポップして2ポイントを狙ったりするセットを組んでいますね。

――シーズン初戦のマニラSTOPでは2戦2敗。上海STOPで初勝利を上げましたが、予選突破はなりませんでした。苦戦もあったかと思いますが、どう振り返っていますか。

山本)最初の2大会は、終わった直後と、その後のヨーロッパ遠征(ウィーン・オルレアン・アムステルダム)が終わったときとで、振り返りが違うんです。

まず、2大会が終わった時点では、初めて3×3の大会に出たこともあり、ユーザー側の役割は案外できるなと感じた部分もあれば、まだまだだなという部分もありました。ただ、チームとしては、3×3の戦い方を詰めていけば上手くなっていくだろうとも思っていました。

そして、ヨーロッパ遠征を終えた振り返りでは、私はユーザー側もスクリーナー側も両方経験できたけど、スピードが全然足りなかったです。キーみたいにドライブで抜けば良かったんですけど、できなかった。アジアだと私は身長がある方なのでボールのもらいざまにドライブを仕掛けるなど工夫もできたと思います。その甘さや悔しさがあったからこそ、みんなで話し合いができて、成長につながったと思います。

――ウィーンSTOPで見事に3位へ躍進しました。準決勝ではマドリッドに惜しくも敗れましたが、何がうまくかみ合ったのでしょうか。

山本)ディフェンスマインドで戦うという共通理解を全員持てたことが大きかったです。ウィーンは、初めて日本人4人だけで挑んだ大会で、高さのあるナタリー(マリー クコウスキー)がいない分、スピードのミスマッチを狙っていこう、しっかりスクリーンをかけようという理解ができていました。試合ごとの振り返りや、タイムアウトの声掛けも、マニラや上海の頃と比べるとすごく良いものだったんです。準決勝で敗れた悔しさはありますが、チームの戦い方が見えてきたからこそ、勝ちにつながったと思います。

オルレアンの西日に苦労も…東京で目指すは「優勝」。LAに意欲も

――一方で、初めての海外転戦を経験する中で、オフコートでは苦労はありましたか。

山本)私は5人制のU18、U19日本代表活動でインドやスペインに行ったことがあって、海外遠征は慣れているつもりだったのですが、食事は合わないことが多かったです。ただ、それ以上に大変だったのが、試合環境でした。

会場に屋根があるか、無いか。フランスのオルレアンは屋根なしの会場で、外で3×3をプレーするのは初めてだったので、アジャストが難しかった。暑い中であと一歩、ディフェンスで前に出られるか。風の強い試合もあったんです。いろいろなことが起こる中で、どう環境に合わせてプレーするのか、身をもって学びました。

――配信を見ていましたが、オルレアンはコート上に日差しからの逃げ場が全く無かったですね。昨今、フランスが熱波というニュースも聞きました。

山本)本当に日陰が無かったんです(笑)。気温は35度ぐらいまで上がったと思います。

試合は夕方の5時ごろのスタートだったのですが、西日がきつく、ゴール下にも差し込んでくるのでリングが見えにくい。日本より湿気は少ない気がしますが、暑さで頭が働かなくなるので、水分補給はもちろん、ウォームアップも日陰でやるなど工夫をして試合に臨んでいました。もう大変でしたね!

――そんな中で、8月1日・2日には東京STOPを迎えます。どんな気持ちで臨みますか。

山本)海外では“三菱電機”として出ると、最初こそ誰にも知られていないのですが、試合を重ねるたびに応援してくれる人が増えるんです。「今大会で一番感動した試合だった」だったと伝えてくれる方もいて、そんな感動を東京でも見ている方に届けたいと思っています。

また、私は5人制の選手でもあります。東京STOPでは、コアラーズの良さを前面に出しながら、Wリーグという舞台がある、そこで戦う選手が世界と戦っている姿も広めていきたいと思います。3×3日本代表とマッチアップする可能性もあるので、自分たちの良さを出して勝ちたいですし、まだ達成できていないSTOP優勝を東京で実現したいと思います。

――ウィメンズシリーズは、獲得できる個人ポイントが女子の3×3で最も大きいです。活躍をすれば、個人ランキングを上げられ、積み上げの結果として代表活動への招集や、3×3の国別ランキングで日本女子を押し上げることに繋がります。2028年のロサンゼルスオリンピック出場への道も開ける可能性がありますが、将来をどう見ていますか。

山本)三菱電機として活動する中で、ポイントは意識しています。その積み上げが、日本女子のロサンゼルスオリンピック2028出場につながってきますし、個人としても代表合宿につながる部分だと思うので、そこは狙っていきたい気持ちです。

ただ、3×3の経験を持ってコアラーズに貢献したいという想いもあります。自分の成長や、プレーの幅を広げる。その先に5人制でのWリーグ・フューチャー優勝、プレミア昇格にもつなげていきたいと思います。

――最後に、代々木には山本選手やコアラーズを応援しようと、3×3を初めて見に来る方もいるでしょう。東京STOPの見どころをお聞かせください。

3×3は10分間で勝敗が決まる中で、その短い時間に三菱電機コアラーズの魅力をどれだけ詰め込めるかを考えて、私たちは努力しています。3×3をあまり知らない方でも、見たら引き込まれるようなプレーをしていきたいですし、私たちをきっかけに3×3の応援に来てもらえたら嬉しいです。

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